エリア理論の基礎的復習

最近、エリア理論という言葉をチラホラと聞くようになった。言葉自体は今まで聞いたことがなかったものの、無意識的に自分の中で確立されてたものが言語化されていたものということがわかって以来、認識の共有が円滑に進むようになった。
今回はこの理論を復習し、次なる発展に繋げたいと企図する次第である。

 

エリア理論は、FPSなどにおける安全エリア(ブルーエリア)、不確定エリア(グレーエリア)、危険エリア(レッドエリア)を分別しエリア分けする理論の総称である。
防衛でいえば、敵側の前線へ満遍なく視線を通すことによって裏に回られることを防ぐ時にこの理論が適用される。いわゆる、抜け道を無くし裏どりをさせないための理論ということだ。
攻撃でいえば、クリアリングしていき安全エリアを拡大してくことで、敵の位置を絞り込む時にこの理論が適用される。小部屋だけのクリアリング以上の、大局的クリアリングということができる。

ここでこのエリア理論とともに留意したいのが、内線外線作戦である。防衛側は内線作戦になりがちであり、攻撃側は外線作戦になりがちである。これは防衛側が防衛拠点を起点とした内線作戦をとる時に最も密な前線が構築され、逆に防衛側が外線作戦をとる時に生じる間隙が弱点となるためである。
このあたりの内線外線作戦の詳しい説明は省略するとして、内線作戦が密で強固な連携が取りやすい反面、外線作戦は個々の戦力同士の連携が取りづらいことを念頭に入れておけばOKだ。そして、この作戦の考え方とエリア理論とを対照した時に現れる、攻撃時のクリアリングの問題点に焦点を当てていく。なぜなら、防衛時もしくは内線作戦においては最も密で強固な陣地防衛ともいえる戦いができるが、その逆こそ課題であるからだ。


攻撃時のクリアリングによるエリア理論

クリアリングと端的にいっても「カッティングパイ」や「クイックピーク」のような局所的なものから面制圧的で大局的なものまでさまざまである。ここでは先述の通り大局的なクリアリングを扱っていく。

参考とする地形として「田の字」を用意した。この左上を起点としてクリアリングしていき、敵位置を絞り込む過程を検証していこう。

まず、進行する赤点が左上から一直線に右と下に進んで、左下と右上まで到達したとする。1→2→Aと進行したということだ。この時、この全行程によって「田の字」全ての通路をクリアリングできたように一見すると見える。しかし、2→Aの途中経過の過程で多くの通路が見えていない。この時、2の時点では右が下の二辺にいたであろう敵が中央交差点に進行できる可能性が生じ、エリア理論の十分な活用をすることができない。
また、2の時点で敵がいるであろう地点へ接近する時、進行する赤点が最も離れた状態(A)になる。この時にもし敵が下辺に集結していた場合、局所的数的不利が発生する。いわゆる離心作戦という、内線作戦の最も悪い過程を踏むことになるのだ。

2→Aの途中経過
見えてない箇所が多いため敵の移動が容易
また、下辺で1対2の状況となり危険

ここでその対策として離心線を小さく留める試みとして、1→2→Bという行程行うこととする。2→Aは内線作戦の離心的行程だが、2→Bは内線作戦から外線作戦へと切り替わり求心的行程へと変化する。もし仮に先ほどと同様に下辺に敵が集結していたとしても、AよりもBの方が支援しやすいことがわかるだろう。これは外線作戦における課題である、戦力の相互支援に半分成功しているといってもいい。

またクリアリングの観点から見ていくと、Bは2の時点とで上辺と下辺が入れ替わっただけで右辺は依然として不明なままであり、進展していいないかのように思われるかもしれない。しかし、2→Bの行程で中央の縦線は常に視線が通っており(視線の指向性はないものとする)、Bの時点での上辺左側(紫線部)には敵が進行した可能性のないことがわかる。その差によって2→Bは進展しており、このように安全なエリアをクリアリングで拡張してくことが攻撃時のエリア理論の適用として正しい形である。



相互支援によるクリアリング順

2→Aの途中経過の時のように、2→Bの途中経過が存在する。その行程中の危険は2→Aよりも多少安全ではあっても、見えている範囲が一時的ではあるものの激減するのは避けたいものである。そこで利用されるのは相互支援という、いわゆるカバーリングだ。片方が定点で監視し、もう一方が進行する。ある地点まで進行したら、監視と進行を交替して順次カバーしながら進んでいくという形だ。
これを応用することによって、視線の指向性を考慮しながらも安全を確保することができるようになる。たとえば、2→Bの時にどちらの赤点も動いたとする。すると中央横線の視線は外れることとなり、中央縦線の進行中にその進行先のT字路と中央横線を警戒しなければならないことになる。この時エリア理論によって中央横線左側は安全だとしても、不確定エリア(グレーエリア)が増えることは望ましくない。それを左辺の赤点が監視することでカバーが成立し、中央横線の警戒を度外視することができるようになるのだ。

左辺も同時移動中なためグレーエリアが増える
左辺から中央横線を監視することで警戒地点を減らす

このように順次相互に連携しクリアリングしていく形が理想形ではある。これをそれぞれの動きから動画化してみた。

2→A系

2→B系

2→B系順次

2→B系においては敵の想定場所は右半分にしかなく、かつ再度相互に連携しながら右側へと当たることができる。このように制圧エリアの拡張をリスクヘッジしながら行うことで、確実に敵を追い込んでいくことが可能である。これがエリア理論を攻撃時に適用するときの、外線作戦との応用である。

念のため注釈として付け加えておくが、今回視線の指向性を無視したことと同様に、進行する赤点を常に交差点上に配置したが実際には危険な側への遮蔽効果などが考慮される。つまり、危険だと思われる場所からの射線に常にさらされることはないのだ。

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